エイズに歌え。
大好きな歌手。アニー・レノックス。
大好きなアルバム。「Songs of Mass Destruction」。
初めてアニー・レノックスに興味を持ったのは、2007年の秋ぐらいだと思う。
毎週聴いていたラジオの音楽番組から流れてきたのは、彼女の[Dark Road]っていう曲だった。
ぼくはいつもそのラジオ番組をMDに録音して、曲の部分だけ切り取って最新の洋楽をコレクションしていた。
初聴のときは、別にそこらへんによくある曲、というイメージで、大して気にもとめていなかった。
少し経って、そのMDを聴いていて、たまたまこの曲が流れた。
なんていうか、衝撃的だった。
後半の盛り上がり具合というか、高ぶって燃え上がる炎で脳が焼き尽くされるようなイメージで、
一気にこの曲の魅力に気付かされた。
なんてかっこいいんだろう。
それからすぐ、ネットでこの曲の入ったアルバムを注文して、
届いたらしばらくずっと聴いていたように思う。
そしてこの曲が収められていたアルバムにもうひとつ特徴的な曲があった。
それが「Sing」。 HIV/AIDSの撲滅運動を喚起する歌。
シャキーラやサラ・マクラクラン、マドンナなどこのキャンペーンに賛同した女性アーティストがたくさん
参加している。
ぼくはその頃、エイズに対してまったくの無知だった。
学校の保健か道徳の授業でそんなペラペラの資料をもらったような覚えがあるようなないような。
「日常生活では感染しないんでしょ?」
その程度だった。
そしてそれは2012年の今となっても変わっていなかった。
最近、一冊の本を読んだ。
「私を抱いてそしてキスして-エイズ患者と過ごした1年の壮絶記録- : 家田荘子」
(この本を読んだまとめ、感想はこちら
http://forbookbloghiro.blog.fc2.com/blog-entry-114.html)
僕の中ではじめてエイズという病気を心に焼き付けられた。
このイメージは、死ぬまで消えないと思う。
それぐらい、エイズが人間にとって残酷な存在であることに気付いた。
今から20年も前の本だから、現在との状況は違うかもしれないけど、
エイズに苦しめられている人はまだまだまだまだまだまだたくさんいる。
だから、せっかく同性愛者に生まれたんなら、せめてゲイと根が深い関係を続けるエイズに苦しむ
人を助けたいと思った。
読後、自分に何ができるか考えた。今、何かしなきゃと思った。
お金持ちになって募金なんてしなくても、今できる。
決して裕福ではないけれど、今できる。
かっこつけでも何でもいいと思った。誰か自分でも助けられるんなら。
今までのちょっとした贅沢。
僕の場合でいえば、お菓子を買ったり、ちょっといいパンを買ったり。音楽買うのを我慢したり。
そんなものを省いてしまえば、すぐにできるんだって気がした。
そんな気持ちで思い出したのが、アニー・レノックス。Sing。
尊敬にも値する彼女の手助けができるんなら本望だと思った。
曲を知ってから早5年が経ち、はじめて彼女のキャンペーンホームページを開いた。
(こちらがSingキャンペーンのホームページ。)
http://www.annielennoxsing.com/
僕にできるのはわずかな募金だけだけど、
あとは少しぐらい社会の人にこのホームページを知ってもらえるくらいはできるように思う。
そんな気持ちでこの記事を書いている。
まだ世の中には、こんなにエイズで痩せ細った子どもたちがいっぱいいるんだ、って忘れたくない。
忘れちゃいけないから。
少しずつ募金することに決めた。
それぐらい日本に住んでいる自分にできないはずがない。
エイズに向かって歌おうと思う。
ぜったい負けないからって。
(※もし募金に興味があって、でもサイトが英語でやり方が分からないという方がいらっしゃいましたら、
ぜひメッセージをください。)